Wanted on sight指名手配

ロマンス

マーカスはイゼルを一目見た瞬間に恋に落ちた。けれど、あまりの緊張に三週間、ひとことも声をかけられず、遠くから彼女を見つめ、こっそり粘土で彼女の面影を彫り続けていた。

イゼルのほうも、ちゃんと気づいていた。

まともな人なら通報するところだ。けれど彼女は違った。目に映った彼を、悪くないと思ったのだ。

ついにスーパーの通路で「ストーカー」を追い詰めたとき、そこから始まるのは、誰も寄せつけずに生きてきた気丈な女性と、勇気を出せずにきた内気な彫刻家の、やさしくゆっくり育っていくロマンス。アイスクリームのトラック、手彫りの磁器の花、追い詰められて打ち明けた想い。気づけばマーカスは、すっかり彼女のものになっていた。

けれど、マーカスの世界は彼ひとりのものではない。支配的な母親は、彼の作品も、時間も、人生さえも自分の所有物のように扱い、イゼルの居場所を作るつもりなど少しもない。

心に鎧をまとった二人が、ようやくお互いに扉を開いていく、スローバーン・ロマンス。

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心温まる虐待(身体的・精神的)

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