The Listener

ダークファンタジー

彼は空から落ちてきた。彼女はもとからそこにいた。

Hulは、なぜ天から追われたのか記憶を持たない堕天使だ。Birdieは古の風の精霊で、あらゆる生きとし生けるものの内側を感じとる共感の力を持つ。彼女は、自らの落下が刻んだクレーターの中で横たわる彼を見つける――傷つき、封じられ、手の届かない星々を見上げている彼を。そのとき彼女は、取り消せない選択をする。留まることを。

Hulにしか見えない存在として、Birdieはやがて集まってくる人間たちの中で彼の目に見えない優位となっていく。彼女は人々の感情を読む。感じたことを耳もとで囁く。そして世界は、彼女の洞察をHulの神性と勘違いする。

やがて、真の信奉者が現れる。確信に満ちた男。ひび割れも、迷いも、彼女の力が感じとれるような摩擦もいっさいない。彼はHulの代弁者を申し出る。問いに答え続けることに疲れたHulは、承諾する。

たった一つのその言葉が、世界を変える。

けれどBirdieは最初に聞いていた。そしてほとんど何も言わなかった。この物語が宿るのは、その*ほとんど*という隙間の中だ。

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