Fabian and His Three Sisters

連載中
4 巻発行済み4巻完結55 話9 回読了
F

作者

Fyed

オクタヴィア王国では、男の子は稀少で、宝物のように大切にされる。剣を握るのは女たち。男たちは家で守られて暮らすもの。

けれどファビアン・ヴァルクレストは、そんな定めに従うつもりはなかった。七年間、彼は長姉ナオミと剣を交わし続けてきた。魔物の大氾濫で両親を失ったあと、家を支えてきた騎士だ。ナオミは両手を使うまでもなく彼を打ち負かす。次女のマリカと三女のハナは、神々がせめて穏やかな贈り物を授けてくれますようにと、ひそかに願っていた。

ところが、めったに応えないという女神が授けたのは、聖者の力である「癒し」、そして隠された第三のスキル「Covenant」だった。信頼する者を永遠に強くする絆の力だ。

明かせば、あらゆる貴族家が欲しがる兵器となる。隠せば、ヴァルクレスト家は反逆の罪を負う。

そこへ、グレイマークの聖者に会うため王女が訪れ、国境の暗き森は静まり返った。

かつてファビアンは誓った。もう二度と、門の前で待つだけの自分には戻らないと。今度こそ、彼は待たない。

The Hidden Saint of House Valcrest
13 話6 回読了無料

オクタヴィア王国では、男児はまれで、何より大切にされる存在。剣を取るのは女たちで、男たちは安全な家で守られて暮らしている。

けれどファビアン・ヴァルクレストには、別の望みがあった。七年間、彼は長姉ナオミと剣を交わしてきた。魔物の大襲来で両親を失ったあと、一家をひとりで支えてきた騎士だ。ナオミは、片手だけでもファビアンを打ち負かせてしまう。次姉のマリカと末の姉ハナは、神々が弟に何かささやかで無害な授かりものをくださるようにと、ひそかに祈っていた。

ところが、めったに応えることのない女神が授けたのは、癒しの力――聖人の証だった。さらに、隠された第三のスキル「Covenant」。信頼を寄せた相手を、永久に強くする絆の力である。

明かせば、あらゆる貴族が欲しがる兵器となる。隠せば、ヴァルクレスト家は反逆の罪を負うことになる。

そこへ、グレイマークの聖人に会うため王女が訪れ、国境の暗き森が静まり返った。

かつてファビアンは誓った。もう二度と、門のそばで待つだけの自分にはならないと。今度こそ、待ってなどいない。

The Saint Beyond the Gate.
16 話無料

ファビアン・ヴァルクレストは、魔物の大波からグレイマークを救い、その代償に二十一日間も眠り続けた。目覚めた彼を待っていたのは、姉妹たちに与えられた新しい称号と、女王からの「ご招待」――王立アカデミーへの入学だった。おまけに、ヒントを散々こぼしてくれる王女様のことは、なぜかまったく気づけていない。

第二王女リーゼルは、ヴァルクレスト家のすべてを失わせかねない秘密を知っている。けれど彼女は、それを暴くつもりなどない。ただ、仲間に入れてほしいのだ。

こうしてファビアンは、王女と、しゃべる代わりに鼻歌ばかりの護衛を連れて、サンクタラへと旅立つ。残された三人の姉妹は、彼自身も知らなかった「ある声」のおかげで、これまで以上にぴったり寄り添っていた。けれど王都には、聖者のための決まりごとがあり、何もかもを数え上げる女王がいて、無視されるのが大嫌いな火の魔術師が隣に住んでいる。

普通に見えるよう、あえて十で止める聖者。強さを隠そうとする王女。そして、誰もが数を数えている訓練場。

Candles and Stairs.
完結
13 話1 回読了無料

十五回の水しぶき。王立アカデミー中がその数を数え、いまやオクタヴィアのすべての名家が「グレイマークの聖者」を欲しがっている。

三人の姉妹とともにサンクタラへ上り、女王から爵位を授かることになったファビアン。その彼に、女王は問いをひとつ、命をひとつ投げかける。「わたくしの娘のひとりでは、どうかしら」。そして、よく考えなさい、と。彼は考える。水しぶきを数えるように理由を数え上げるけれど、どの数え方も行き着く先は同じ。槍を手にした王女、動悸の理由を、いつも階段のせいにしている彼女のところだった。

ところが、学院長が泥だらけのブーツで帰還し、不吉な知らせをもたらす。魔族が戻ってきた、と。アカデミーの中心にある庭は、誰もが通り抜けながら、誰も目を留めない場所。そこに、何かが植えられていた。口論の火種があちこちで燃え上がり、少女たちはわけもわからず涙を流す。そしてファビアンは、潮の満ち引きひとつで昼までに水が尽きてしまう自分の泉から、癒しを瓶に詰めようと試みはじめる。

闇の中で育つものがある。声に出して言わなければならないことがある。

Borrowed Light.
完結
13 話2 回読了無料

ファビアン・ヴァルクレストは、庭から生きて戻ってきた。アカデミーには決して知られてはならない泉と、いまや彼を名前で呼ぶ王女を連れて。女王はこの縁組を望んでいる。ファビアンが返せる答えはただひとつ、まずリーゼルに、と。自分の手でこしらえたものを携えて、きちんと自分の口から尋ねるつもりだ。けれど、王国の端からでも彼の鼓動の速さを感じ取ってしまう三人の姉妹がいては、言うほど簡単にはいかない。

そこへベッローニアからフェリクス・アクィランがやってくる。声が大きくて陽気で、歌はひどい音痴。そして、ファビアンの癒しの力を長持ちさせてくれる、初めての魔法使いだ。二人は力を合わせて、光を瓶に詰める術を学んでいく。けれど、旗印のない騎手たちが森の街道を進み、マリカはウサギの仮面をつけてグレイマークへと馬を駆る。しかも、瓶ひとつで持たせなければならないのは三十日間。

問うことについて、そして、愛する人のために私たちが背負うものについての一巻。