The Fruit They Were Promised約束の果実

アーバンファンタジー· 完結

F

著者

Fyed

セプテントリアの聖者が死んだ。十九年にわたって彼を守り続けてきた護衛の手で、祈りのさなかに殺されたのだ。そして今、かの国の女王からオクタヴィアへ、たった一行の手紙が届く。——どうか、あなた方の聖者をお貸しください。

こうしてファビアンは、姉妹たちと護衛たち、彼の癒しの光を瓶に詰められる二人の友人、そして一歩後ろをついて歩く神殿の少女とともに、雪の降る北へ馬を駆る。村から村へ、病む人々が口をそろえて言う。「誰も来てくれなかった」。けれど北には、来た者がいた。フードをかぶった二人の見知らぬ旅人。黒い果実の入った籠。そして、ひとつの優しい嘘。——聖者など要りません。あなたは自分で自分を癒せるのです。

果実を口にした者たちは元気になった。穏やかで、笑顔さえ浮かべている。けれどその内側では何かが育ち始めていて、ファビアンの光はそこまで届かない。

毒に冒された女王を目覚めさせ、魔物の大群から山ひとつを守り抜いた彼が、初めて、癒せない病と向き合う。そして歴代の聖者の誰も答えたことのない問いに。——花開くその前に、人の中から種を引き抜くには、どうすればいいのか。

14話

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